株式会社サンリツ様
業種:物流業
導入拠点数:6
導入前の課題
物流 DX を推進しようとしても、現状をデータで捉える仕組みが存在していなかった
サンリツは創業 70 年を超える総合物流企業であり、直近の中期経営計画では物流 DX に 5 億円を投じる予定で、5%相当の労働力を創出することを目指している。これに先立つ 2021年に 同社は事業戦略部を新設している。
それまで包装設計や自動化設備の導入等を担当していた物流技術部をベースに人員を拡充して、物流 DX の推進部隊としての役割を持たせた。
機械化などの大掛かりな DX に着手する前に、まずは人手での業務実態を把握する必要があったが、これまでは一部の現場が紙の日報に 15 分刻みで作業記録を残す程度のアナログ管理 しかしておらず、全社的に正確なデータを集めることが困難であった。
導入効果
余剰人員をデータで把握し、適正な要員を見極め、利益率改善
ロジメーターを使用し、利益率や生産性を算出する中で特に注目をしたのは、「人をかけすぎているのはどこか」という点だった。
これまでは習慣で毎日ほぼ同じ人数が出勤していたが、物量波動の大きい現場では、物量が減少すると余剰人員が生まれて生産性が落ちてしまうため、いかに適正な人員計画を立てられるかが現場改善のカギになると考えた。
そこで現場ごとに目標利益率を設定し、その目標を達成できる状態を作るにはどこまで人を減らす必要があるのか、また取得した生産性を基にどこまで人を減らしても大丈夫なのかを確認した。
すると、12 人で作業していた現場は 8.5 人まで減らせることがわかり、約 3 割減少させ、利益率を大幅に増加させることが可能となった。
その現場は他の現場に比べて利益率も悪くない現場であり、従来から管理者が自身の経験などから適正な人員配置をしているという肌感があったが、データで見てみるとまだまだ余剰 員を抱えて運営されていたことに気がついたという。
作業実績を全員で共有。自発的な応援が業務の偏りを解消
ロジメーターを展開する際には、現場の理想と現実のギャップをヒアリングするところから始める。
とある現場では特定の人だけが残業をして、他の人は帰ってしまうという業務の偏りが問題になっていた。ロジメーターの作業実績データを見たところ、その人には資格が必要な専門性の高い業務が集中していることがわかった。そのため、半年程度かけて他の人にも資格取得してもらうなどして業務の平準化を図ることとした。
さらに、ロジメーターの作業実績をスタッフ内で共有するようになると、以前は「自分の仕事は自分の仕事」といった感じで責任者が指示をしないと応援などに行かなかった人々が、データを見て自発的に応援に行くようになるという変化もあった。
ある人が残業をしていてもなんで残業しているのか分からなかったが、見えるようになったことで助けてあげようという気
持ちが湧いてきたのだという。
特に物量の多い 3 月は休日出勤が当たり前だったが、業務の偏りが解消されたことで、物量が昨年比で多かったにも関わらず残業は減り、休日出勤も発生しなかった
導入時の苦労や工夫、今後の展望など
事業戦略部がゴールまでの道筋を明確に示し、現場と共に改革を実行
まずは 10 人程度の小規模の現場からトライアルを開始したが、それでも最初は定着しなかった。
現場で数値化に対する課題感が無く、やる意味がわからなかったためだった。
一方で、既に日報を書いている現場は導入目的が明確だったために、定着は早く効果も大きかった。
ただツールを導入するだけではなく、目的や狙いを伝えることが重要だと認識した本社の事業戦略部は、4 段階の導入ステップ(ロジメーターの定着→データ精度向上→データマネジメ ント→改善活動)を作成。
最終的に PDCA サイクルを回せるように、目的と手段を記載した図を用いて現場に落とし込みを行っていった。
さらに現場任せにするのではなく、事業戦略部も一緒になってデータを見て仮説を立て、日々の気づきを共有していった。そうすることで意識も高まっていき、データを見ながら課題に対して打ち手を打ち、その結果をデータから検証するという PDCA サイクルを高速で回すことが出来る現場が増えていった。
事業戦略部主催で現場リーダーを対象に「データ分析講座」も開催し、現場リーダーのスキルアップや意識改革といった現場力の強化にロジメーターを使用している。
このように事業戦略部と現場が一体となって小さな成功の積み重ねを体現できたことがやる気に繋がり、全社的な取り組みとして成功する要因となっていることは間違いない。
日々の収支を管理し、更なる収益性の向上と作業効率を追求する
現在ロジメーターのデータは月単位で振り返りを行っているが、先行している現場では、目標利益率を設定し日別で収支を管理しているところもある。
さらに KURANDO の別サービスであるロジボードを使用した、予定数量に対しての適正人員計画の作成や、リアルタイムでの作業進捗の確認が実現可能か検証も進んでおり、データ活用の幅を広げる取り組みが行われている。
今後はロジメーターの未導入拠点への展開や、日別収支管理ができる現場の拡大を目指すとともに、ロジボードやその他の仕組みとも組み合わせながら、より高度な現場運営を目指す。