株式会社ジョイックスコーポレーション様
業種:アパレル
導入拠点数:2
導入前の課題
現状把握の甘さを解消し、計画的な現場運営を行う必要性を感じていた
アパレル業界は他業種と比較して物流実務の現状認識が甘く、生産性が低い傾向にあるという記事が業界紙に掲載されていた。
ジョイックスコーポレーション社としても手書きの作業日報を記入する文化はあったものの、曖昧な記憶に頼って記入してしまっていたり、他の作業者に聞いて同じ時間を書いてしまっていたり、正確と言えるデータは蓄積できておらず、実績の振り返りや次月・来期の予測の精度が高くないのではないかという実感があった。
また、人員配置などの当日現場運営も肌感で差配してしまっており、人が足りないことが分かった段階で応援を送るという場当たり的な判断になってしまっていた。
特に生産性の低い作業などは数量的にはそれほど多くなく問題なく終わりそうに見えても、作業が進むと応援が必要
だとわかるようなことも多く、作業別の特性を数値化した上での現場判断の必要性を感じていた。
導入効果
「何となく効率が悪そう」を数値化し、改善モチベーションを向上
ロジメーターで取得した正確な生産性を基に、まずは作業順の変更、作業優先順位の確立、レイアウトの変更などに着手した。例えばアウトレット向けは春夏物と秋冬物をまとめて出荷するが、これまでは通常店舗向けと同じように今季物を手前に置いてシーズンオフの物を裏に置くというレイアウトとなっていた。
ピッキング時に移動距離が多く効率が悪そうだという肌感はあったものの、数値としてはっきりと表れていなかったため改善の着手までに至っていなかった。
取得した生産性を基に他の出荷と比べてどれだけ数値が落ちるかを実感することが、手間のかかるレイアウト変更へのモチベーションとなった。
物量の傾向やチーム別作業難易度を把握し、応援時間の削減に成功
年間を通してデータ取得・振り返りを行うことで、繁閑期の波動などの傾向値、返品などのイレギュラー値を区別して認識することができるようになった。
月別の傾向がわかることで、毎月のリーダー会にて次月の傾向を予測しながら人員計画を作成することができ、急なイレギュラー作業が発生しても受け止められるような準備ができるようになった。
また、各チーム(出荷、入荷、保管)の生産性を基に作業難易度を設定。
チーム間の応受援時間も計測し、難易度の低いチームへの応援を減らし、高いチームへの応援余力を残せるようにした。
さらに、生産性の落ちる応援そのものがなるべく起こらないように応受援時間の実績を基に各チームでの必要人員を試算し、適正な体制になるようチーム間の異動も行った。
パート作業者に応援を依頼する際も、これまでは「向こうのチームにばかり応援に行っている」などの不公平感が出てしまっていたが、数値を根拠に難易度を説明することで納得感を持って応援作業をしてもらえるようにもなった。
KPIモニターのシンプルレポートでパート作業者からの共感を得る
管理者が業務を分析するためのグラフなどは別途 Excel で作成しているが、複雑な内容になるためパート作業者を含め現場全体で共有することは難しかった。
そこで、KPIモニターにて主要作業の生産性グラフと目標値に対する天気マーク表示(目標を超えていたら晴れマーク、超えられなかったら雨マークなど)だけのシンプルなレポートを作成した。
それを週次で貼り出して昼礼時に現場全体に共有することで、作業者全員に生産性の意識を持ってもらえるようになった。
また、これまではただ取らされていた感のあった作業データが結果となって目に見えることで、データ取得活動に対してのモチベーション向上にも繋がっている。
導入時の苦労や工夫、今後の展望など
個人別の評価は行わないことを強調し、データ取得に対する不信感を払しょく
活動開始当初はデータを取られることに対し、作業者の不信感は少なからずあった。
データ活用の目的は個人別生産性の良し悪しを評価することではなく、チームでの運営を良くすることであるため、個人の査定に影響を与えることはないことを強調した。
さらに、人員の偏りを適正化することによって急な応援指示などが少なくなり、うまくデータ活用が進むことで作業者の負担も下がるというメリットも伝えた。
導入効果で記載したKPIモニターによるデータ取得結果の共有なども含めて、全員が当事者意識を持ってより良い現場運営ができるようなチームビルディングを行ってきた。
在庫数の変動による生産性影響を捉え、人員計画の精度向上を目指す
これまでの取組によって、入出荷数の増減による生産性への影響や、季節波動などを考慮した人員計画の適正化は効果を上げ始めている。
これからはさらに精度の高い計画を立てていくために、作業負荷に影響を与えていると考えられる在庫数と生産性の相関も検証していきたいと考えている。
波動を捉えるための情報を増やし、より正確な予見ができるようにしていく計画だ。