
株式会社アダストリア様
業種:アパレル
導入拠点数:7
導入前の課題
自作アプリケーションでの運用では手間がかかり、かつ粗いデータしか取得できなかった
これまではその日の作業が終われば良しとする考えで現場運営が行われており、どの作業にどれくらいの工数がかかっているのか、また生産性がどれくらいなのかがデータとして蓄積されていなかった。
業務改善の必要性が顕在化してきた際、いざ着手としてみようとしても現状を表す数値が無かったため、まずはノンプログラミングで作成できる自作アプリケーションで作業時間を登録する仕組みを作成し、庫内作業可視化の取組を開始した。
しかし、作業の開始と終了の登録を行う仕組みでは打刻に手間がかかってしまい、現場負担を軽減するために個人別での打刻はせず、班単位での粗いデータを取得することにしていた。
また、データが貯まるにつれアプリケーション動作が重くなってしまうことにも不便さを感じていた。
データを扱うことが社内で定着するにつれて、取得するための工数に対して取れるデータの粒度やアプリケーションの安定性に不足を感じるようになり、今までよりも詳細な項目を簡単に取得できそうなロジメーターの導入検討を開始した。
導入効果
必要人時を定量的に算出することでシフトの精度を向上
まず庫内作業可視化の取組として(ロジメーターを導入する以前から)、作業別の生産性を計測することから始めた。
各工程の標準生産性がわかることにより、これまで感覚で判断していた処理量に対しての必要人員数を定量的に判断できるようになったため、シフトを作成する際に人員計画の精度が向上し余分な人員を取りすぎるということが少なくなった。
前週の結果を振り返り、今週以降の対策を講じる
また、全拠点の WMS データとロジメーターデータを合わせて生産性を管理しており、各拠点長と本社の担当者とで毎週月曜日に振り返り会議を行っている。
会議では主要作業の目標生産性に対しての前週実績を確認し、目標を下回っていた場合は今週の対策について確認している。
ロジメーターでデータを簡単に取得できるようになったことで集計の手間も減り、振り返りから対策のサイクルを早めることができた。
更に、拠点間でお互いの数値を見ながら会話ができるようになったため、例えば成績の良い拠点の好事例を他拠点に共有するなど横の交流も活発になり、全社で改善に向けた良い雰囲気が醸成され底上げに繋がっている。
導入時の苦労や工夫、今後の展望など
当日生産性を反映した進捗管理で効率的な現場運営を目指す
ロジメーターを導入してもすぐに綺麗なデータが取得できたわけではなく、当初は打刻漏れ(特に休憩前後)が散見されたため管理者のデータ修正作業が多く発生してしまっていた。
漏れを無くすためには作業者の移動時にタブレットが自然と目に入る位置に設置されていることが重要と考え、休憩室の出入口など作業者の動線上にタブレットを追加したことにより打刻漏れが減った。
現在は異常値の確認に 10 分/週、異常値があった場合の修正に 30 分/週をかける程度の工数で運用ができている。
また、取得する作業項目の粒度を、以前に管理していた項目のまま始めてしまったことも登録ミスが多い原因であった。何気なく従来の項目を踏襲してしまいがちであるが、取得方法が変われば取得しやすい粒度も変わる上に算出できる KPI も変わる。
ロジメーターを導入するタイミングは従来の運用を見直す良いきっかけにもなるため、導入当初に必要な項目と不要な項目の仕分けを行ったり必要な粒度の精査を行ったりするなど、しっかりと項目の再検討をすべきであった。
現在は実績を振り返って改善点の発見や対策を考えるためにデータを活用しているが、今後は当日のデータを当日の庫内運営に活用していきたいと考えている。
ロジメーターのデータをリアルタイムで WMS の物量データと突合させることで当日の生産性を反映した進捗管理を行い、このままのペースで進んだ場合のそれぞれの作業の予測完了時刻を一覧化していくことも検討している。
全体の進み具合を把握しながら効率的に作業者の割当てをすることで、不要な手待ち時間や残業が発生しない仕組みを目指したい。